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2022 年度 実施状況報告書

持続的な有益微生物創出のためのマイクロバイオーム内資源至適化数理モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K14779
研究機関国立研究開発法人海洋研究開発機構

研究代表者

鄭 美嘉  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門, 特任研究員 (00846438)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード合成生物学 / 計算生物学 / システム生物学
研究実績の概要

生存戦略として、生物は様々な共生形態を編み出してきた。特に貧栄養環境では、動植物などの高等生物とマイクロバイオームとの独特な相利共生が存在する。高等宿主が幼生期に特定の細菌種を細胞内に取り込む内共生では、宿主は環境中の栄養源を物理的に取得し、アミノ酸等の必須栄養素は微生物が合成する。共生戦略の優位性を解明するためには、限られた資源がどのように配分・活用されると生存率がどのくらい上昇するか定量的に計測し比較する必要がある。また、戦略の安定性を示すためには、様々な外的要因での動態を調査する必要があるが、現実には多大なコストとリスクが伴う。迅速かつ論理的に共生戦略を説明するため、資源を分子として仮定した化学反応の系を設計し、細胞内資源配分モデルを構築した。有用微生物の増殖率を生命維持に必要な遺伝子群のタンパク質生成速度に比例すると定義し、かつリボソーム濃度が一定と仮定したとき、有用物質の合成により増殖率が低下する。これにより、有用微生物の自己増殖率と有用物質合成量の相反関係を導き出した。自己増殖率の低下は有用微生物の生存戦略に置いてのコストであり、合成量は相利便益に通じる。共生戦略の優位性と安定性は有用物質の産出による便益がコストを上回るかどうかで決定すると考察した。
また、数理モデルの妥当性を補完するため、実験系としての有用細菌株のゲノム編集プロトコルを確立した。
本研究を通して、低栄養環境下での省エネかつ効果的な資源配分法則が解明できると期待する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ホネクイハナムシと細胞内共生細菌の培養及びゲノム編集に成功した。またモデル構築とシミュレーションを通して、効果的な資源配分を理論的に説明できるよう取り組んでいる。

今後の研究の推進方策

ホネクイハナムシにおける相利共生機構について論文形態にまとめる。また、本研究で構築した資源配分モデルを用いて相利共生以外でのマイクロバイオームの共生機構をシミュレーションし、生存可能性について解析する。

次年度使用額が生じた理由

数理計算のソフトウェア購入のほか、成果の取りまとめ及び発表として論文投稿および学会参加に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 微生物由来の抗生物質生産の費用対効果分析2022

    • 著者名/発表者名
      鄭美嘉
    • 学会等名
      第74回日本生物工学会大会

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公開日: 2024-12-25  

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