本研究では、酵素-電極間での直接電子移動が可能な直接電子移動型酵素の酵素電気化学反応の向上を目指した。ランダム変異体ライブラリに対して従来の酵素活性スクリーニングではなく、電気化学スクリーニングを実施し、スクリーニング結果から変異体ライブラリを階層クラスター分析によって分類したところ、優れた電極触媒性能を示す変異体と似た性質を示す変異体には類似した変異が導入されていた。酵素の酸化還元電位に焦点を当て、変異導入による酸化還元電位への高影響部位を特定し、飽和変異ライブラリを作製・評価したところ、配列空間全体の0.1%のスクリーニング数のみで酸化還元電位が約70 mV変化した変異体が得られた。
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