研究課題/領域番号 |
21K14792
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
姜 法雄 神戸大学, 農学研究科, 助教 (70824465)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スペルミジン / アシルスペルミジン / 天然物 |
研究実績の概要 |
ポリアミンアルカロイドは、これまで天然から数多く見出されており、様々な疾患に対する治療薬シーズであることが古くから認知されている。しかし、こういったポリアミンアルカロイドの潜在的有用性にもかかわらず、大半が創薬資源として手つかずになっているのが現状である。本研究の目的は、独自の戦略により位置選択性を自在に制御することで、様々なアシルスペルミジン天然物を、網羅的かつ初めて化学合成することである。そこで1年目は、以下の通り新選択的反応剤の開発、および未利用スペルミジン保護体の効率的形成条件の確立に取り組んだ。 (1) 検討の結果、N-ホルミルカルバゾールが第二級アミン存在下、第一級アミン選択的ホルミル化剤として働くことを見出した。本試薬は安定で取り扱いやすく、既存の第一級アミン選択的ホルミル化剤よりも調整容易であった。しかしながら、ホルミルスペルミジン天然物の合成には、選択性が不十分であるという課題も明らかとなっている。 (2) スペルミジンのアルデヒドによるアミナールイミン型保護が、迅速かつ定量的かつ位置選択的に進行する条件を見出した。本条件によって得られるアミナールイミン型保護体は、スペルミジン上1位の窒素のみがフリーであり、様々なN1-アシルスペルミジン天然物の位置選択的合成に潜在的に有用であると思われる。 今後はこれら2つの成果を更に進展させることで、当初の研究課題であるアシルスペルミジン天然物の合成へと展開していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アシルスペルミジン類の位置選択的化学合成に有望な、新選択的反応剤および中間体を見出した。前者の第一級アミン選択性には改善の余地があるため、よりアシルスペルミジン合成に適した反応剤の開発を行う必要がある。後者を極めて高純度で得られる条件を見出したため、今後はその利用法に関する研究を行う。
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今後の研究の推進方策 |
初年度で得られた知見を基に、ホルミル化剤の第一級アミン選択性の改善を試みる。方策としては、N-ホルミルカルバゾールの構造修飾による立体障害の増大、あるいはこれまで選択的ホルミル化に利用されてこなかった新ホルミル化剤の検討である。スペルミジンのアミナールイミン型保護体の利用条件の検討を行う。具体的にはアミナールイミン保護体を形成した後に、種々の酸クロリドを添加し後、酸による脱保護を行うことでN1-アシルスペルミジンを合成できる条件を探索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗が想定よりやや遅れたため。
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