炎症性腸疾患(IBD)の病態には、炎症を抑制する制御性T細胞(Treg)が関与することが報告されている。Tregは芳香族炭化水素受容体(AhR)によって誘導されるが、成分栄養(ED)に含まれる複数の化合物やその代謝物についてレポーター細胞株を用いてAhR活性を測定した。その結果、EDに豊富に含まれるトリプトファンの代謝物がAhRの強力なアゴニストになる事を見出した。その活性は、IBD治療のキードラッグである5-ASAの2~4倍であり、Tregを誘導し、IBDモデル動物の炎症を抑制する事が明らかとなった。以上の結果は、EDが保存的治療のみならず炎症制御機能を有する事を示唆している。
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