医薬品原料として重要な植物二次代謝(特化代謝)産物の効率的な供給方法の確立は喫緊の課題である。申請者は、モルヒネに代表されるイソキノリンアルカロイド(以下IQA)の生産を調節する仕組み、特に植物ホルモンの1つであるジャスモン酸(以下JA)によってIQAの生産が誘導される仕組みを詳細に明らかにすることを目的に、本研究を行った。 IQA生合成研究のモデルであるケシ科ハナビシソウから、JAシグナル伝達に関わる複数の制御因子(COI1やMYC2)を単離し、それらが実際にIQAの生産調節に関わることを示した。さらに、これら因子と既知の転写因子群が協調的にJAシグナルを伝達する仕組みの一端を明らかにした。
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