Oryza属に含まれる種の167系統に対して、NLR-IDの一つであるPias-2の対立遺伝子産物が持つIDの種類と分布を調査した。その結果、Aゲノム種が持つIDとしてDUF761およびHMAが優占し、これらのドメインを有するイネタンパク質(HpsID: Host protein similar to ID)は病原菌エフェクターの重要なイネ標的因子(=罹病性遺伝子)になりうると考察した。これまでに、HpsID欠損イネにおいて、親和性いもち病菌に対して抵抗性が付与された系統が見られている。NLR-IDは、イネ以外の植物種にも存在することから、同様の手法により罹病性遺伝子の単離が可能である。
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