カキの完全甘ガキ性決定遺伝子座 (AST) の解析とプロアントシアニジン蓄積制御メカニズムの解明を目指した研究を実施した。AST領域約900 kbの領域において、甘渋間で明確に発現変動するmRNA、smRNAは存在しなかった。また分離後代と品種群を用いた解析により完全甘ガキ性と連鎖する多型が134個得られたが、非同義置換は得られなかった。一方で多型のパターンから有力な候補遺伝子が同定された。ナノポア等を用いてAST領域の種間構造差異に関する情報を得た。さらに、カキ育種の課題である「渋残り」形質を示す個体を解析し、ASTの遺伝子型とは独立にPA含量により制御されていることを示唆する結果を得た。
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