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2021 年度 実施状況報告書

登ってから増えるか、増えてから登るか?ツル植物のクローン成長における生活史戦略

研究課題

研究課題/領域番号 21K14882
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

森 英樹  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (80827551)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードクローン成長 / 生活史戦略 / 木本性つる植物
研究実績の概要

垂直成長してから水平に広がるフジ型と、水平に広がってから垂直成長するイワガラミ型を対比させ、日本のツル植物がフジ型とイワガラミ型に類型化できるか、クローンである登攀個体と林床個体の間でそれぞれの戦略から予測される養分移動が生じているか?を明らかにすることで、垂直・水平方向へのクローン成長におけるツル植物の生活史戦略を解明するために、本年度は対象種の選定とサンプル採取を主に行った。水平・垂直方向へのクローン成長がどのように使い分けられているかを明らかにするために、小川試験地の代表的なツル植物種であるマツブサおよびツルアジサイを対象種とし、林床で匍匐する2種の葉のサンプリングを行い、DNAを抽出した。また、暖温帯の森林に自生するテイカカズラを新たに対象種とし、三宅島にて試験的にサンプリングを行った。一部のサンプルでDNA抽出を行い、PCRプライマーを開発中である。また、フジの養分移動を推定するために、15Nのトレーサー(塩化アンモニウム)を小川試験地周辺に分布する3ジェネットの大型ラメットに直接投与して、そのジェネットから葉をサンプリングした。サンプリングは季節的な変動を明らかにするため、投与後1ヶ月は毎週、それ以降は1ヶ月に1回行った。採取したサンプルは60℃で一定重量に到達するまで乾燥させ保管した。採取したサンプルを用いて同位体比分析を行う予定である。また、水平・垂直方向へのクローン成長に関する論文がPlant Species Biology誌にて掲載され論文賞を受賞した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね当初予定していた計画通りに進められている。具体的には、対象種の選定、サンプル採取、トレーサー実験の対象個体の選定およびトレーサーの投与方法の確立を行うことができた。一方で、対象種の選定は3種行ったが、数種新たに追加する必要がある点が課題であり、全体の進行度を考慮して概ね順調と判断した。

今後の研究の推進方策

対象種の選定とサンプル採取を引き続き行い、クローンを識別する。そのために、DNAマーカーを開発する。養分移動を推定するために昨年度採取したサンプルを用いて同位体比分析を開始する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の蔓延により当初予定していた調査(特に三宅島)が大幅にできなくなったことに加え、それに伴う実験等も保留となったことが理由である。三宅島などでのサンプリングやそのサンプルを用いた実験を本年度実行していく。具体的には、部分的に行っていたテイカカズラのサンプリングを完了させ、DNA抽出方法を確立する。また、そのPCRプライマーの開発を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Interspecific variation in clonality in temperate lianas revealed by genetic analysis: Do clonal proliferation processes differ among lianas?2021

    • 著者名/発表者名
      Mori Hideki、Ueno Saneyoshi、Kamijo Takashi、Tsumura Yoshihiko、Masaki Takashi
    • 雑誌名

      Plant Species Biology

      巻: 36 ページ: 578~588

    • DOI

      10.1111/1442-1984.12348

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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