研究成果の概要 |
低置換度(DS)の多糖誘導体は、難分解性の石油合成プラスチックを代替する「生分解性バイオマスプラスチック」として期待されている。しかし、難溶性の多糖類が原料であるため、DS制御に多段階の合成手順を要する。また、溶解性や熱溶融性が乏しく、従来技術では成形加工が困難であることが、その材料利用研究の妨げとなっていた。そこで本研究では、イオン液体を溶媒かつ触媒として用いることで、β-1,3-グルカン(カードラン)の均一系アセチル化により得られた反応後の溶液を直接、湿式紡糸に供する「化学修飾・湿式紡糸一貫法」を開発し、DSが0.1-1.0のカードランアセテートの簡便でグリーンな合成と繊維加工を実現した。
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