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2023 年度 実績報告書

セルロースとキチンのナノファイバーで制御する肝細胞の機能発現

研究課題

研究課題/領域番号 21K14890
研究機関九州大学

研究代表者

畠山 真由美  九州大学, 農学研究院, 助教 (20871437)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードセルロース / 細胞培養基材 / 肝細胞
研究実績の概要

現在、医薬品開発における肝毒性評価において、ヒト初代培養肝細胞が主に使用されているが、入手機会に限りがあることや、ロット差が大きいため、安定した毒性評価が困難である。一方、無限に増殖が可能なiPS細胞から作製された肝細胞であれば、安定した細胞供給源となるが、薬物代謝酵素活性などの肝機能が初代培養肝細胞と比べて低いといった課題がある。そこで、林産系ナノ素材として注目されている樹木由来セルロースナノファイバーと水産資源のキチンナノファイバーの「固体糖鎖界面」と「ナノ繊維形状」を活かして、細胞間コミュニケーションの促進に着目した細胞培養基材を創出することで、iPS細胞由来肝細胞の機能を向上させることを当初の研究目的とした。
本年度では、肝細胞の生育や肝機能を支える役割を担う類洞内皮細胞のモデルとして、臍帯内皮細胞を使用し、キチンやセルロースに由来する様々なナノファイバー基材上での培養を行った。キチンナノファイバーを用いた基材では、内皮細胞の接着性が乏しく、十分な細胞増殖性がみられなかった。一方で、表面を化学修飾したセルロースナノファイバー基材では、内皮細胞の良好な接着・増殖性が確認され、肝細胞の生育を支えるための増殖因子の遺伝子を高発現する条件が見出された。さらに、増殖因子高発現条件の内皮細胞と、前年度までの取り組みで明らかになった肝機能が向上するセルロース基材上で培養した肝細胞(HepG2細胞)を組み合わせた共培養にも取り組み、肝機能の評価を行った。
研究期間全体を通して、樹木由来材料であるセルロースナノファイバーを用いた肝細胞の機能向上に適する基材と、肝細胞の働きをサポートする内皮細胞の機能向上が期待される基材の開発に成功した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Injectable cell-laden hydrogels fabricated with cellulose and chitosan nanofibers for bioprinted liver tissues2023

    • 著者名/発表者名
      Zhang Zilin、Li Qi、Hatakeyama Mayumi、Kitaoka Takuya
    • 雑誌名

      Biomedical Materials

      巻: 18 ページ: 045018

    • DOI

      10.1088/1748-605X/acd49a

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Proliferation and differential regulation of osteoblasts cultured on surface-phosphorylated cellulose nanofiber scaffolds2023

    • 著者名/発表者名
      Liu Qimei、Li Qi、Hatakeyama Mayumi、Kitaoka Takuya
    • 雑誌名

      International Journal of Biological Macromolecules

      巻: 253 ページ: 126842

    • DOI

      10.1016/j.ijbiomac.2023.126842

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 構造多糖ナノファイバーを用いた細胞培養基材の開発2024

    • 著者名/発表者名
      畠山真由美
    • 学会等名
      第8回 繊維学会西部支部若手講演会
    • 招待講演
  • [備考] 九州大学 大学院農学研究院 生物資源化学研究室ホームページ

    • URL

      https://bm.wood.agr.kyushu-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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