研究課題/領域番号 |
21K14905
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松沼 瑞樹 近畿大学, 農学部, 助教 (40814786)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 魚類 / 分類 / 進化 / 多様性 / ハタ科 |
研究実績の概要 |
2021年度は、種レベルの分類学的検討に注力した。海外渡航は困難と判断し、当初の計画通りに国内外の研究機関から借用した一般標本の調査した。また、魚類標本コレクションを有する国内の2つの研究機関を訪問して標本調査を実施した。約100個体のヒメコダイ属魚類標本を新規に調査した結果、オーストラリア周辺から南太平洋にかけての海域に出現する本属魚類の種組成と分布パターンを把握することができ、これまでの知見とあわせて、太平洋域における本属魚類の種多様性が明らかにできた。また、台湾の研究協力者と共同で、これまでに2標本の幼魚しか知られていなかった種の再記載を開始した。これまでの研究により、形態・色彩的に大きな特徴のある種が整理され終わった段階にあり、今後は既知種と類似する隠蔽種の存在に注意を向ける必要がある。また、本研究課題を遂行するにあたり、国内の博物館等研究機関に所蔵されている魚類標本コレクションの調査を通じて、研究課題の対象であるヒメコダイ属以外の分類群についても学術的に価値のある成果を多数得ることができ、これらは随時、論文として公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
業務が停止している研究機関が予想以上に多く、標本・DNA解析用のサンプルの収集が当初予定していたよりも遅延しているため、進捗状況はやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、昨年度に引き続き、一般標本の収集と調査を継続して行う。太平洋産の標本調査は順調に進んでいるため、今年度はとくにインド洋産の標本を集中的に調査する。年度の後半は海外の博物館を訪問してタイプ標本の調査を行い、分類学的研究のとりまとめを開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、業務停止している研究機関からの標本・DNA解析用サンプルの収集が遅れたため、予定していた実験器具・試薬の購入を次年度に延期した。
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