ミズクラゲ大発生メカニズムの理解に寄与することを目的として,舞鶴湾と伊勢湾で研究を実施した.越冬親クラゲが冬に産卵することが知られる舞鶴湾では,越冬親クラゲは冬産卵を通じて,翌シーズンの親クラゲ量に影響することが示された.また,伊勢湾では,既報の個体群動態データを解析することで,太平洋十年規模振動と河川流量がそれぞれポリプ期の増殖とエフィラ放出以降の減耗と相関することを見出した.さらに,クラゲ類の大発生メカニズムの包括的理解に寄与することを目的として,全球規模で分布拡大の一途を辿っている淡水棲クラゲ類の生態に関する既存知見のとりまとめも実施した.
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