研究課題/領域番号 |
21K14911
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部) |
研究代表者 |
安岡 法子 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部), その他部局等, 研究員 (20826002)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 性比 / 二枚貝 / 性転換 / サイズ選択的漁獲 / 放流 / アカガイ |
研究実績の概要 |
本研究では性転換するアカガイをモデルに,アカガイの繁殖生態と漁業の関係を明らかにすることを目的とした。
①飼育試験:発泡たらいを用いたアカガイの飼育試験を継続して実施している。2023年の繁殖期に,飼育しているアカガイを生かしたまま性判別した。性判別ができた個体の飼育を継続しており,次の繁殖期で再度性判別を行うことで性転換サイズが明らかにできる状態にある。 ②市場調査:アカガイの殻から年齢査定を行ったところ,大阪湾でアカガイの繁殖期に水揚げされているアカガイの97.0%が1~3歳であることが明らかとなった。また,繁殖期全体の性比はオスがやや多い傾向にあった。標本漁協ではアカガイの水揚げ制限サイズが殻長5cmから7cmに引き上げられることになった。そこで,水揚げサイズの引き上げによる性比への影響を明らかにするため,市場調査を継続して実施している。 ③試験操業:アカガイを含む,全ての動植物が採捕禁止となっている関西国際空港周辺海域で石桁網による試験操業を3回(6月,7月,9月)実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度延期した採捕禁止区域での試験操業を実施したが,漁業が普段行われていなことが影響し選定していた調査地点の1つでは貝殻が多くて網が上がらず,アカガイのサンプリングができなかった。 一方で,市場調査と飼育試験は継続して順調に行っており,データが蓄積されている。そのため,おおむね順調に進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
飼育試験は継続して行い,性転換のデータを取得する。 市場調査に関しては,2024年度も継続して実施してデータを蓄積し,標本漁協での水揚げサイズの引き上げによる性比への影響を明らかにする。 関空採捕禁止区域内で行う石桁網調査に関しては,2024年度は昨年度と調査場所を変更し実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度行った関西国際空港周辺海域(採捕禁止区域)での試験操業では想定通りのサンプル数が確保できなかった。そこで,次年度以降に調査地点を変更する予定とし,今年度の操業回数を予定よりも減少させたため次年度使用額が発生した。 次年度使用額については,新たな定点を設定し試験操業を行う費用に充てるほか,主に調査・試験のための消耗品費に使用することを計画している。
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