昨年度の研究で海産白点虫のモノクローナル株の樹立に成功したため、本年度は樹立したモノクローナル虫体株からDNAを抽出し、全ゲノム配列の取得を試みた。海産白点虫はin vitro培養が困難であり、宿主である魚類を用いて虫体を増殖させるため、宿主ゲノムの混入等によりアセンブリの完全性は低く、全ゲノムの取得には至らなかったが、多くの遺伝子配列の取得には成功した。今後はこの配列を参考にトランスクリプトーム解析を行い、寄生期虫体で発現するアポトーシス関連遺伝子等の網羅的取得を試みる。 また、本年度は培養可能な繊毛虫であるテトラヒメナを用いた組換えタンパクの発現にも着手し、虫体タンパクの発現に成功した。今後の研究により、アポトーシス関連分子候補が得られた際にはこの手法により組換えタンパクを作製し、機能解析等を実施する予定である。
|