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2021 年度 実施状況報告書

開発途上国・乾季野菜生産における灌漑の経済的価値に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K14928
研究機関酪農学園大学

研究代表者

毛利 泰大  酪農学園大学, 農食環境学群, 講師 (80880723)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワードインドネシア / 灌漑水 / 野菜作
研究実績の概要

経済成長に伴い、米などの穀物を中心とする食生活から、野菜・果樹、畜産物を取り入れた多様な食生活へ移行することが知られている。この変化は特に都市部において顕著に観察され、周辺農村部での農業生産を変化させる可能性がある。分析対象国のインドネシアでは慣行的な農業として雨季に2回の稲作と乾季の畑作物(豆類など)が行われてきた。雨季の水稲は自給的性格を有する一方、未だ人口増加下にあるインドネシアでは商品作物としても機能する。他方、乾季畑作物は水稲より収益性は低い。そのため水田における野菜作の導入は乾季畑作物を代替する形で進行することが予想される。乾季に収益性の高い野菜作を安定的に導入するには灌漑水へのアクセスが重要である。

本研究の目的は、乾季の野菜作における灌漑水の役割を明らかにすることである。本年度は分析対象国となるインドネシアの農業生産のマクロの状況を明らかにするために、個票データ(Sruvei Pendapatan Petani 2013)を用いて農業生産の状況を把握することを目的とした。インドネシアは人口や経済活動、そして農業生産においても国土面積では相対的に小さいジャワ島に集中している実態を有する。ジャカルタ特別州やジョグジャカルタ特別州では農業生産の最も大きなシェアは野菜生産や畜産が占めており、都市の経済規模に誘発され、都市部周辺において農業生産の高付加価値化が起こっていることがわかる。ジャワ島ないしインドネシアにおける米の主要生産地である西ジャワ州、中部ジャワ州、東ジャワ州では農業生産の最大シェアは米であるが、野菜作生産のシェアは畑作物よりも高いことがわかり、ジャワでの伝統的な作付体系において乾季の畑作物が野菜作へ代替されている可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は個票データの分析を中心に活動することを予定していたが、購入データの不備や調整により分析開始時期が遅れてしまった。次年度以降、開始される現地での調査にもデータ分析の結果は必要となるためデータの分析を急いでいる。

今後の研究の推進方策

個票データの分析を進める。また現地の状況を考慮しつつ、現地調査実施に向け準備を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

調達予定の個票データにおいて、分析に必要な項目(変数)があるかどうかの確認をするため、調達を見送ったため。次年度の農村調査資金に充当する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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