研究課題/領域番号 |
21K14937
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
中本 英里 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター, 研究員 (20824303)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ユニバーサルデザイン / 農福連携 / 障害者の就労環境整備 |
研究実績の概要 |
本研究は、既存研究では十分に検証されていない、農福連携事例における就労環境整備に焦点を置き、障がい者の就農現場におけるユニバーサルデザイン化の効果とその有効な取組方法を解明することを目的とする。方法として、農福連携事例におけるユニバーサルデザイン化の取組実態やその成果を、アンケート調査および事例分析により明らかにする。 まず「1.予備調査」において、農業分野で就労する障がい者の特性(障害種類等)を把握し、ユニバーサルデザイン化が必要な場面やその効果を仮説的に整理する。次に、ユニバーサルデザイン化の取組実態とその成果を把握するための調査を実施する。「2.アンケート調査」は、農福連携の取組におけるユニバーサルデザイン化の全体状況を把握するためのものであり、他分野(他産業)との比較を踏まえた内容とし、調査結果は農業分野でのユニバーサルデザイン化の特性の整理に活かす。「3.事例分析」では、農福連携事例を対象にユニバーサルデザイン化の具体的な取組内容と、ユニバーサルデザイン化の効果、取組課題等を明らかにする。その際、障がい者のユニバーサルデザイン化に対するニーズや主観的評価の把握も行う。また、これまでの研究を踏まえ、園芸作を中心に事例選定を行う。以上の結果を基に、ユーザー(障がい者等)への配慮事項を整理した「4.ユニバーサルデザインマトリックス」を作成し、「5.農福連携の取組におけるユニバーサルデザイン化の在り方の提案」をまとめた報告書を仕上げる。 2021年度は、「1.予備調査」段階として、文献調査等によりユニバーサルデザイン化の効果に関する仮説的整理を行った。研究成果の一部は、農福連携関連セミナーおよび学会フォーラムで報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は主に、既存資料(農福連携事例集、就労支援マニュアル等)をもとに、農業分野で就労する障がい者の特性や、従事している農作業工程、作業遂行における課題等を把握し、ユニバーサルデザイン化の仮説的な整理を行った。補足調査として、現地訪問によるヒアリング調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症予防対策により出張が制限されたため、現地調査は実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
アンケート調査を行い、農福連携の取組におけるユニバーサルデザイン化の全体状況を把握する。アンケート調査の対象は、障がい者の就労を支援する事業所や団体等(農業以外も含む)とし、農業分野におけるUD化の特性(取組内容,UD化の効果,UD化の課題)を抽出する。アンケートは、「予備調査」段階で得られた知見をもとに作成する。 2021年度中に実施できなかった現地訪問によるヒアリング調査は、新型コロナウイルス感染症対策を徹底して行うとともに、必要に応じてメールやWeb会議システム等を利用する等の柔軟な対応に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
現地調査やセミナー等に現地での参加が出来なかったことや、これによりアンケート作成のための情報収集が不十分であったことから、旅費やアンケート調査等にかかる費用が次年度使用額となった。
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