研究課題
若手研究
ツキノワグマに対して忌避効果のあるクマ避け杭について、その忌避成分の特定と経時変化を評価したところ、辛み成分としてカプサイシンとジヒドロカプサイシンの2種類が存在することが分かった。また、木栓に染み込ませた忌避成分は、時間の経過とともに減少していき、一定期間経過後はほぼ一定になることが分かった。クマ避け杭を用いてクマ侵入防止柵を作成し、クマによる被害が確認されている果樹園に設置したところ、設置後はクマが現れることはなく、被害はゼロとなった。
森林土木学・木材工学
日本では2004年に全国各地でクマの大量出没が大きな社会問題となって以降、クマの人里への出没が常態化している。それに伴い、全国で毎年100名以上の人が死亡もしくは負傷している。本対策方法は設置場所に制限なく、クマ被害への効果的な対策法の一つとして提供できるものである。また、忌避成分を特定したことで、その成分を人工精製することができれば、野生鳥獣類を寄せ付けたくないモノや構造物に付加・添加することも可能となり得るものである。