本研究では、家禽であるニワトリとウズラの苦味受容特性を比較した。行動解析の結果、ニワトリは苦味物質を濃度依存的に忌避したが、ウズラはキニーネなどの複数の苦味物質に対して全く忌避を示さなかった。ウズラの口腔にはニワトリと同様に味蕾様の器官が認められ、3種類の苦味受容体遺伝子 (T2R1、T2R2、及びT2R7)のうち主にT2R7が発現していた。ニワトリの苦味受容体T2R7において苦味物質との結合に寄与するアミノ酸残基がウズラではほとんど変異しており、特定の苦味物質に対する応答性が低いことが明らかになった。
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