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2021 年度 実施状況報告書

高血糖動物であるニワトリにおいてジカルボニル化合物が果たす役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K14963
研究機関愛媛大学

研究代表者

牧野 良輔  愛媛大学, 農学研究科, 講師 (80772821)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワードジカルボニル化合物 / ニワトリ / 活性酸素種 / グリオキサール / メチルグリオキサール / 3-デオキシグルコソン / 高血糖
研究実績の概要

高血糖動物であるニワトリは、正常なヒトと比較して2-3倍高い血糖値を示す。グルコース代謝の中間体として存在するジカルボニル化合物は、糖尿病患者ではさまざまな悪影響を引き起こすことが近年明らかになってきているが、ニワトリは高血糖という特徴を持ちながら、ジカルボニル化合物の生体内の濃度といった基礎的知見すら明らかにされていない。本研究は、高血糖動物であるニワトリにおいてジカルボニル化合物が果たす役割を解明することを目的とし、ジカルボニル化合物が、ニワトリ生体内に①どれだけ存在し、②どのような生理的意義を担っているのかを明らかにするよう試みた。
本年度は、ジカルボニル化合物は生体内のどこに、どれだけ存在するのか明らかにすべく、0から6週齢のニワトリにおいて、血漿および10部位の組織中ジカルボニル化合物濃度を測定した。その結果、ジカルボニル化合物のうちメチルグリオキサールの血漿中濃度が週齢によって変化することを見出した。また、特に肺において他の臓器よりも濃度が高いことを明らかにした。ジカルボニル化合物のうち、グリオキサールは肺と腎臓で、3-デオキシグルコソンは腎臓で特に濃度が高いことが判明した。
さらに、次年度予定していたニワトリ初代培養細胞を用いて、ニワトリにおけるジカルボニル化合物の生理的意義を担うのか調査することも前倒しで進めた。本年度では、哺乳類で報告されていた酸化ストレス亢進作用を中心に調べた。哺乳類では、ジカルボニル化合物により細胞内で活性酸素種の亢進が報告されていた。そのため、活性酸素種の蛍光プローブを用いて、ジカルボニル化合物がニワトリ初代培養細胞中の活性酸素種を増加するかどうかを測定した。その結果、活性酸素種の増加は認められなかった。ただし、ジカルボニル化合物の作用時間など、検討事項が未だ残されている状況にある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初計画では、ニワトリの週齢および臓器間の濃度の違いについて明らかにすることを目標としていた。計画していたジカルボニル化合物の測定系が速やかに立ち上がったことから、その目標は早期に達成することができた。そのため、次年度に予定していた、ニワトリ初代培養細胞を用いた、ジカルボニル化合物の生理的意義の解明に向けて前倒しで着手できたことから、当初の計画以上に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

次年度は、ジカルボニル化合物がニワトリの生体内でどのような生理的意義を担っているのかを中心に明らかにしていく予定である。既に本年度着手した酸化ストレスに関する検討を引き続き進めていくほか、in vivoの系を用いたインスリン抵抗性などについても併せて着手することを計画している。

次年度使用額が生じた理由

本年度は研究の進捗が予定よりも進んだため、次年度分の予算を前倒しで請求している。請求の単位が10万円単位だったことから、若干の次年度使用額が生じているが、概ね計画通りの使用状況にある。生じた次年度使用額に関しては、当初計画通り、次年度の研究遂行のために使用する。

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公開日: 2022-12-28  

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