本研究では中性アミノ酸の動態をエネルギー代謝の面から解析し、中性アミノ酸代謝の放射線応答についても調べる。これらの検討から、がん細胞の中性アミノ酸代謝を標的とした新たながん治療法の開発を目指した。申請者は研究期間を通じて、(1)中性アミノ酸のうち分岐鎖アミノ酸代謝過程を標的とした放射線増感を試み、(2)分岐鎖アミノ酸代謝阻害時の放射線照射時のエネルギー応答を評価し、(3)また、(1)で得られた放射線増感作用のメカニズムに関する証左を示した。以上の検討から、分岐鎖アミノ酸代謝を標的とした放射線増感を実現し、新規放射線療法の開発につながる基礎的データを得ることに成功した。
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