研究課題/領域番号 |
21K14985
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
尾之内 佐和 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (10808330)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 十二指腸 / ポジショニング / マウス |
研究実績の概要 |
十二指腸と結腸は腹腔内の決まった位置に収まり、U字型の十二指腸と逆U字型の結腸のかみ合いに見られる位置関係は種を超えて共通する。しかしながら、腸管ポジショニング決定の発生学的メカニズムに着目する研究はほとんどない。定説では、発生期の一時的に腹腔外へ突出した腸管の腹腔への復帰の時に腸管のポジショニングが起こるとされている。しかし、申請者はこれまでの十二指腸形態形成研究において、十二指腸と結腸は腹腔外へ突出しないこと、腸管の腹腔への復帰以前に十二指腸が結腸とかみ合うことを観察しており、この定説に疑問を抱いた。申請者はこれまでの十二指腸形態形成研究から、発生期の十二指腸形成が起点となり、腸管ポジショニングを決定するのではないかと考えた。 そこで、本研究では、 腸管回転異常マウス(B6;129-Pitx2<tm1Hmd>)と正常マウスの十二指腸形態および遺伝子発現を比較解析し、十二指腸形成と腸管ポジショニングにおける形態学的・分子生物学的知見を明らかにする。また、その遺伝的背景を腸管奇形の発生率が高いホルスタイン種のウシで検証する。これら一連の研究により、十二指腸形成と腸管のポジショニングの関係を明らかにすることを目的とする。 2021年度はマウス飼育環境の準備を行った。また、連続組織切片の三次元再構築法を確立し、正常マウスの十二指腸周囲の構造を詳細に観察した。また、腸管奇形のウシのサンプリング機会はなかったが、サンプリングに備えて準備を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は腸管回転異常マウスの購入まではできなかったが、正常マウスにおける十二指腸とその周囲の構造を三次元再構築法によって観察することができた。
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今後の研究の推進方策 |
腸管回転異常マウスを導入し、正常マウスと十二指腸およびその周囲の構造について比較するとともに、経時的な比較も実施する。2022年度は網羅的遺伝子発現解析を実施し、候補遺伝子について摘出腸管の器官培養を用いて検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度はコロナウイルス感染症流行の影響やマウス飼育施設の確保等の問題で腸管回転異常マウスの導入ができなかった。そのため、導入に関する予算が次年度使用額として残った金額である。2022年度にはマウスの導入を行う予定である。
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