女性の不妊の原因はホルモンバランスの異常、卵管や子宮の環境異常や、卵母細胞自身の質の低下など多岐にわたる。本研究は妊孕性に作用する上記の要因の中でも卵母細胞自身の質や卵巣環境に着目し、メスの妊孕性にかかわる新規因子の同定とその制御機構の解明を目的としている。 これまで、6遺伝子の欠損マウスを作製し、4遺伝子のマウスで妊孕性が確認された。妊孕性が確認されたマウスについては卵巣形態や排卵数に野生型と比べて差がないことを確認した。不妊が確認された遺伝子については卵巣切片による形態観察では大きな異常がないことを確認したが、体外受精の結果、受精できない、またはその後の発生に影響を及ぼすことが確認された。本研究により、受精発生にかかわる卵巣由来の因子が新たに同定された。
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