原子地球において、COは現在より普遍的に利用可能な基質として存在した。加えて、COはエネルギー保存に必須な電子伝達物質(フェレドキシン)を直接還元可能な唯一の気体である。そのため、COの高い還元力をエネルギー源として利用可能なCO代謝は始原的なエネルギー保存様式を持ち合わせると考えられる。以上より、CO代謝を解明することは生物の最終共通祖先の代謝様式を紐解く上で重要な知見の獲得につながると考えられる。また、COは工場の排ガス等にも含まれる。そのため、COを除去あるいは有用物質に変換する微生物触媒としてCO酸化菌を活用することも可能とされており、バイオテクノロジー分野への貢献も期待される。
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