L型アミノ酸輸送体1(LAT1)は、血液脳関門やがん細胞に多く発現するアミノ酸輸送体であり、細胞内外の必須アミノ酸、ホルモン、抗がん剤、薬物の輸送に関わっている。本研究では、LAT1による基質・薬物結合様式を理解するために、細胞の環境を模した脂質二重膜下で、クライオ電子顕微鏡による構造解析を行った。種々の基質・阻害剤との複合体を形成し、クライオ電子顕微鏡により高分解能観察することで、LAT1選択的、非選択的な薬物各種に関して、構造決定に成功した。これらの結果から、抗がん剤候補となる化合物がどの様にLAT1に結合し阻害するのか、その構造基盤が明らかになった。
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