研究課題
若手研究
シアノバクテリアの時計蛋白質(KaiA, KaiB, KaiC)による概日振動の制御機構を理解するためには、これらの蛋白質が形成する複合体の構造と動態を明らかにする必要である。本研究では特にKaiCのリン酸化を促すKaiA-KaiC複合体(AC複合体)の形成挙動とその溶液構造を、超遠心分析と中性子/X線小角散乱の統合手法によって解析した。
生物物理
本研究により解明されたAC複合体の溶液構造は、概日時計システムにおいて重要なKaiCのリン酸化亢進メカニズムの理解に寄与する。また、本研究の独自手法である「AUC-SAS法」はKaiA-KaiC相互作用のように解離-会合速度が速い平衡系における複合体構造解析に大変有用であることが示された。したがって同様の複合体系の溶液構造解析にも応用されることが期待される。