微生物の運動は、『宿主体内への侵入 (感染症) 』や『宿主生理機能の発現 (恒常性維持) 』など、私たち哺乳類の日常生活と深く関っている。この運動は、細胞内の化学反応などで得られた自由エネルギーを細胞外の力学的な仕事として出力する『異種エネルギー変換素子』、運動マシナリーにより駆動されており、運動制御を目的に、その作動機構が研究されてきた。運動マシナリーは、エネルギー変換効率が100%を誇るなど、医学的関心に留まらず、人工分子モーター設計といった応用の観点からも注目されている。 本研究の成果は運動方向の制御を担うメカニズムの解明であり、適切な制御から感染症といった予防効果が見込まれる。
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