突然変異率は、多くの進化過程に密接に関わる重要かつ基本的なパラメータである。しかしながら、突然変異率それ自体の進化がどのような要因に駆動されるのかは不明な点が多い。突然変異率の進化に関する既存の理論では、ゲノムサイズとの関連するとされているが、実際にはそのような理論予測に合わない系統が多数報告されている。本研究では、突然変異率の新たな進化理論の足がかりとして、ゲノムサイズの劇的変動なが報告されているアブラムシの細胞内共生細菌を対象に全ゲノム解析ならびに変異率の解析を実施した。その結果、当該共生細菌2種について、ゲノム縮小進化の各段階におけるゲノムおよび変異率に関する情報の取得に成功した。
|