サリドマイド誘導体であるレナリドミドやポマリドミドは、血液がんの治療薬として年間約2兆円の規模で使用される代表的な低分子薬剤である。過去10年の研究から、サリドマイド誘導体はネオ基質のタンパク質分解を誘導するタンパク質分解薬であることが明らかとなった。タンパク質分解薬は強力かつ新規な薬剤の作用機序であることから、世界中のメガファーマが研究を行っている。さらに、サリドマイド誘導体の臨床的な成功から新たなサリドマイド誘導体の開発が進められている。したがって、本研究で開発された解析技術は将来のタンパク質分解薬の開発・利用において極めて重要な技術となることが期待される。
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