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2021 年度 実施状況報告書

血液脳関門を強化するアストロサイトでのタイトジャンクションの構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K15092
研究機関帝京大学

研究代表者

田中 啓雄  帝京大学, 医学部, 助教 (70795905)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード生体恒常性 / 生体バリア / 血液脳関門 / 脳血管内皮細胞 / アストロサイト / 細胞間接着 / タイトジャンクション
研究実績の概要

生体恒常性を維持するための最も強固なバリアシステムの一つとして血液脳関門(blood brain barrier: BBB)が知られる。BBBを構成する脳血管内皮細胞は、細胞間接着装置タイトジャンクションを介して互いに接着して脳血管を構築する。このときタイトジャンクションは内皮細胞間の隙間を密閉し、強固な細胞間バリアとして機能する。脳血管内皮細胞が構築するタイトジャンクションは、BBBの中心的な構成要素として注目されてきたが、申請者は最近、脳血管の周囲をくまなく覆う間葉系細胞のアストロサイトが、神経病態下にてタイトジャンクションを構築し、BBBを強化する可能性を見出した。本研究では、アストロサイトがタイトジャンクションを構築すると認識されていなかったことから、申請者は最近、タイトジャンクションが内皮細胞間隙を密閉して強固な細胞間バリアとして機能するのみならず、脳血管の周囲をくまなく覆うアストロサイトにおいても強固な細胞間バリア構築する可能性を見出した。本研究では、タイトジャンクションの細胞間接着分子クローディンファミリーを軸に、アストロサイトがいかにタイトジャンクション構築を構築し制御して脳機能保護メカニズムを構築するかという新規課題を解明する。本年度は、アストロサイト初代培養系や単離脳血管をモデルに、病態下で活性化したアストロサイトの細胞局所に、タイトジャンクション構成分子が集積することを明らかにした。また、脳血管内皮細胞とアストロサイトとの連関の視点からBBB研究を進めていく過程で、脳血管内皮細胞のタイトジャンクション構成分子と神経病態との新たな関連についてノックアウトマウスを用いた個体レベルでの解析を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1) 当初の計画通り、神経病態下にアストロサイトがタイトジャンクションを構築する分子基盤についての重要な知見が得られた。

(2) アストロサイトと脳血管内皮細胞との連関の視点からBBB研究を進めていく過程で、脳血管内皮細胞のタイトジャンクション構成分子と神経病態に関する新たな知見が得られ、ノックアウトマウスを用いた個体レベルでの解析を進めた。

今後の研究の推進方策

形態学的観点からアストロサイトがタイトジャンクションを構築する可能性にアプローチする。また、そのバリア特性についても生理学的解析により評価する。

次年度使用額が生じた理由

当初マウス個体解析を軸とする実験を計画していたが、所属研究室の移動にともない、研究計画に変更が生じた。今年度は、主に培養細胞系を用いた実験を中心に行ったため、予定していたマウス飼育維持費用などのマウス実験にかかる経費を次年度に持ち越すこととなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A microtubule‐LUZP1 association around tight junction promotes epithelial cell apical constriction2021

    • 著者名/発表者名
      Yano Tomoki、Tsukita Kazuto、Kanoh Hatsuho、Nakayama Shogo、Kashihara Hiroka、Mizuno Tomoaki、Tanaka Hiroo、Matsui Takeshi、Goto Yuhei、Komatsubara Akira、Aoki Kazuhiro、Takahashi Ryosuke、Tamura Atsushi、Tsukita Sachiko
    • 雑誌名

      The EMBO Journal

      巻: 40 ページ: e104712

    • DOI

      10.15252/embj.2020104712

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 上皮細胞間接着装置タイトジャンクションによる外分泌システムの構築と生体防御2021

    • 著者名/発表者名
      田中啓雄、田村淳、月田早智子
    • 学会等名
      第92回 日本動物学会
    • 招待講演
  • [備考] 帝京大学 先端総合研究機構 生体バリア細胞生物学研究室

    • URL

      https://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/tsukita/

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公開日: 2022-12-28  

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