受精卵の不等分裂は植物の上下軸形成に必須であるが詳細な分子機構は不明である。そこで我々は、分裂後の受精卵を顕微鏡下で単離しRNA-seq解析することに成功した。受精後の転写が異常な変異体でも実施して野生型と比較したところ、変異体では200程度の遺伝子の発現量が低下していることを突き止めた。変異体で発現低下した遺伝子のうち、不等分裂に関わる可能性が高いと考えられるものを選抜し、遺伝子破壊株の表現型を観察したところ、いくつかの欠損株では受精卵の不等分裂が損なわれた。今後はこれらの遺伝子の具体的な機能について、ライブイメージング解析で調べることで、不等分裂の分子機構の解明につながると期待できる。
|