研究課題
佐渡島の定点においてアカテガニ集団の2年目の野外調査を実施した(5-10月)。太平洋側と比較して大潮と小潮で潮の干満差が小さい日本海側でもアカテガニは月周性繁殖リズムを示すことを昨年度示していたが、今年度のデータもそれを裏付けるものとなった。他にも繁殖期の前半と後半で雌雄で明確に体色に違いが表れることを定量的に明らかにすることに成功した。また、広島県の集団サンプルを用いて7-8月の繁殖期の2カ月間の大潮と小潮(各4回ずつ)でオスとメスをサンプリングし、眼柄神経節のRNAseqと神経内分泌器官であるサイナス腺内に含まれるペプチドホルモンプロファイルをHPLCで調べた。HPLCの結果、大潮特異的にメスのサイナス腺に含まれるペプチドホルモンを発見した。さらに、RNAseqから大潮特異的に発現上昇する遺伝子のリストアップを行ない、HPLCから得られたペプチドホルモン以外のある内分泌シグナル経路が大潮特異的に活性化されていることを示唆するデータを得た。
2: おおむね順調に進展している
佐渡島での野外生態調査、広島県の集団を用いたRNAseqとHPLCによる候補因子探索は順調に進んでいる。
RNAseqとHPLCから得られた内分泌因子の関与を明らかにするべく、佐渡島集団を用いて繁殖期に定期的な体液採集を行ない、体液中のホルモン動態を明らかにする。また、3年目の野外調査をおこない、日本海側で初となるアカテガニの詳細な繁殖生態を明らかにする。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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