研究課題
アカテガニの成体メスを小潮と大潮でサンプリングし、1個体から両眼柄を摘出した。そのうち片側からサイナス腺を摘出し、逆相液体クロマトグラフィーによって眼柄に含まれるペプチド類について小潮と大潮のクロマトグラムを得た。本解析から大潮特異的に発現しているペプチドを1分子見出すことに成功した。また、もう片方の眼柄からは眼柄神経節を摘出し、total RNAを抽出後にde novo RNAseqを実施して小潮と大潮における遺伝子発現プロファイルを取得した。Differential expressed gene analysisから大潮に高いピークを示す遺伝子を複数見出し、その中に含まれていたペプチドをコードする遺伝子を最も有力な候補遺伝子として選抜した。上記RNAseqから見出したペプチドを人工的に化学合成することに成功した。そのペプチド分子がアカテガニの繁殖リズムに関与しているのか明らかにするため、生体への注射実験を実施した。まず、抱卵している成体メスを野外で捕獲し、飼育ケース内で一晩順化した。その後、飼育個体を対象群(生理食塩水)とペプチド投与群の2群に分けてそれぞれ投与して放仔行動を取るまでの時間を指標として観察した。その結果、人工合成したペプチドを投与した群は対象群と比べて放仔に至るまでの時間が半日以上短縮された。さらにこの効果は投与濃度に依存して大きくなることから、このペプチド分子が本種の月周繁殖リズムに関与していることが強く示唆された。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 5件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (5件)
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