延髄最後野には成体神経幹細胞ニッチェが存在する。最後野は背側迷走神経複合体(DVC)の一部を形成し、DVCは食物摂取を阻害する内臓ニューロンおよびホルモンの情報を統合する。そこで、マウスに高脂肪食摂取またはスクロース飲水させ、最後野の神経幹細胞に及ぼす影響を調べた。その結果、高脂肪食摂取またはスクロース飲水はその継続期間の長さによって神経幹細胞および前駆細胞の増殖に与える影響が異なることが判明した。また、摂食抑制ホルモンの末梢投与に応答し神経幹細胞の増殖活性および分化細胞種が変化していた。本研究結果から、最後野神経幹細胞および前駆細胞が摂食またはエネルギー代謝の制御に関わる可能性が示唆された。
|