本研究成果は将来的に先天性盲などの疾患治療の分野への応用が期待される。先天盲や早期失明の患者では、点字解読により視覚野が活動することが報告されているが、その解剖学的基盤については、ほとんど知られていない。このような早期失明による大脳皮質の領野間結合の可塑的変化を調べることは、これらの病態を理解する上で重要と考えられる。 また本研究の結果は、並列情報処理を担う回路が、従来知られていなかった網膜から皮質までの回路を伝播する活動を教師信号として形成されることを示したものであり、この原理を人工知能に応用し、並列情報処理も取り入れることにより、汎用的な人工知能の開発に役立つ可能性が考えられる。
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