神経細胞間の情報伝達は脳機能の根幹である。中枢神経系の多くのシナプスでは、その伝達効率がカンナビノイドにより負に調節される。カンナビノイドは麻から抽出され、精神作用があるため、その作用機序は盛んに研究されてきたが分かっていない点も多い。本研究では、シナプス前部・後細胞からの直接同時パッチクランプ記録を小脳プルキンエ細胞のシナプスに適用し、2種類のカンナビノイド受容体が独自の情報伝達抑制作用を発揮することを明らかにした。具体的には、CB2がシナプス前Ca2+流入を減少させ、一方新規カンナビノイド受容体GPR55は活動電位に応じて膜融合し得るシナプス小胞数を減少させることが分かった。
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