研究課題
若手研究
高酸化状態天然物中の酸化状態を低減させる反応の開発を目指した。その際に、環境負荷の増加に繋がる還元剤の外部添加をすることなく、分子内の低酸化状態官能基の還元力を活かした自己酸化・還元反応により、実現することを目的とした。本コンセプトの立証として、糖類を用いた触媒的脱酸素化反応に成功した。また、フェニルプロパノイド類への応用を志向した芳香族置換不飽和炭化水素化合物類の変換反応の開発をしていく中で、研究開始当初は予期しなかった未知の有機超原子価ヨウ素化合物を発見することができた。
有機化学
天然物は再生可能である上に、多様な生理活性を持っています。しかしながら、天然物そのものを医薬品として用いるには物性的な課題があることが多く、医薬品の多くは石油原料から合成されています。本研究では、天然物を改変し新規の医薬品候補化合物へと導くことを目的とした有機合成化学的手法の開発を行いました。具体的には、糖類の新規脱酸素法の開発に成功しました。本成果は、医薬品分野に限らず再生可能燃料・化成品などへの応用が期待されます。