PRNPY162X患者からiPS細胞の作製、神経細胞への分化を行った。酸化ストレスに対して、患者群では神経細胞生存率が減少していた。また、患者群では健常群に比べ、50%以上プリオン蛋白の転写が低下していた。以上から、正常なプリオン蛋白が神経細胞に強く発現しているのは酸化ストレスに対する耐性獲得のためとても重要であることが示された。 エダラボンとリコンビナントのプリオン蛋白をそれぞれiPS細胞神経に加えると、脆弱だった過酸化水素に対する耐性改善を認めた。そのため、我々は現実のPRNP Y162X患者に対して、エダラボンの投与を行ったところ、投与前に比べ悪化遅延または改善効果を認めた。
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