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2021 年度 実施状況報告書

カルシウム作用分離を指向したビタミンD誘導体の創製

研究課題

研究課題/領域番号 21K15235
研究機関昭和薬科大学

研究代表者

石田 寛明  昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (70755975)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードビタミンD受容体 / 核内受容体 / アンタゴニスト / 共有結合モディファイア / 創薬化学
研究実績の概要

ビタミンD誘導体は医薬品として活用されている化合物以外にも数多くの高活性な誘導体が報告されている。しかし重篤な副作用として高カルシウム血症を併発することが問題となり、医薬品として認可された化合物は限られている。そこで本研究ではビタミンD受容体の新規アンタゴニストを創製して、カルシウム作用の分離を目指した化合物の開発を目指している。さらに、化合物の構造内に共有結合可能な官能基(共有結合モディファイア)を導入する計画である。これにより生理作用の増強、作用持続性の向上を志向している。
1.新規ビタミンD誘導体の合成:はじめに、共有結合型の新規アンタゴニストの合成を目指し、共有結合モディファイアの予備検討をモデル基質を用いて実施した。その結果、ビタミンD受容体のリガンド結合ポケット内に存在する標的アミノ酸であるヒスチジン残基と共有結合を形成する嵩高い構造を有する共有結合モディファイアを見出した。つづいてビタミンD母骨格を有する誘導体の合成に着手して、現在合成を進めている。
2.ビタミンD受容体と合成した化合物の結合様式の解明:これまでに合成できたエノン構造およびヘテロ小員環構造を有する共有結合型ビタミンD誘導体とビタミンD受容体リガンド結合領域(VDR-LBD)のタンパク質を用いて、共結晶化を実施した。その結果、良質な結晶を得ることができたため、高エネルギー加速器研究機構のビームラインを用いて、X線結晶構造解析を行った。質量分析実験では共有結合形成が確認できたものの、残念ながら標的タンパク質と共有結合を形成した結晶構造は得られなかったため、結晶化条件を再検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新規ビタミンD誘導体の合成段階で予期しない副反応が起こり、それを回避した合成ルートを確立するために時間を要した。その結果、当初の予定よりも合成が遅れている。また、受容体タンパク質(VDR)と共有結合を形成した結晶構造が取得できていないため、こちらも研究がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

令和4年度には、合成が遅れている共有結合型ビタミンD誘導体の合成を完了させるべく、合成に注力する。またこれまでに合成が完了した共有結合型ビタミンD誘導体について、ビタミンD受容体と共有結合した共結晶構造が得られていないので、結晶化条件の再検討を化合物の合成と並行して行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

新規ビタミンD誘導体の合成段階で予期しない副反応が生じたことで合成計画を再検討することになったため、研究進捗に時間を要した。また合成検討段階のために、合成スケールが小さく、当初の予定よりも使用する試薬の量が少なく、購入費の支出が減少した。次年度は誘導体の合成に注力するため、今年度よりも試薬購入費がより多く必要になる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Synthesis of Tetrahydrofuro[2,3-d]oxazoles and Oxazoles by Hypervalent Iodine (III)-Promoted [2+2+1] Annulation2022

    • 著者名/発表者名
      Ishida Hiroaki、Homma Shoya、Kasuga Ryota、Yamamoto Keiko、Itoh Toshimasa
    • 雑誌名

      Chemical and Pharmaceutical Bulletin

      巻: 70 ページ: 192~194

    • DOI

      10.1248/cpb.c21-01001

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 超原子価ヨウ素反応剤を用いた新規フロオキサゾール合成法に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      石田 寛明、本間 翔也、春日 良太、山本 恵子、伊藤 俊将
    • 学会等名
      日本薬学会第142年会

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公開日: 2022-12-28  

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