自家蛍光・異方性顕微鏡を開発し、液-液相分離により生成した液滴内のタンパク質の構造や状態を観測することに成功した。従来法と異なり、本手法はラベルフリーかつ液滴のままの状態でタンパク質凝集や液滴の物性変化を定量的に評価できる。 Ataxin-3は通常の溶液中で線維化するが、液滴内では異なる構造の凝集体が形成された。このことはataxin-3の毒性がLLPSによって変化する可能性を示唆しており、マシャドジョセフ病の治療法開発に極めて重要な知見となる。また液滴内の粘度に基づき、ゲル化や凝集を観測することにも成功した。このことは疾患の進行を定量的に判断する指標にもなると考えられる。
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