本研究では、パーキンソン病などの神経変性疾患において神経の変性・脱落に関わるαシヌクレイン凝集核について、これを標的とした治療薬の開発に向けた物性、形成メカニズム解析を実施した。結果として、1)疾患に関わるαシヌクレインのN末変異とC末領域断片化が凝集核形成を促進するメカニズムを解明し、2)凝集核形成の制御を担うホットスポット残基としてS87残基を同定し、その制御メカニズムを明らかにした。さらに、3)凝集核の形成量を規定する要因としてタンパク質の疎水性度が重要な役割を果たすことを見出した。これらの知見は、αシヌクレインの凝集核形成メカニズムの理解と凝集核形成制御分子の設計に貢献する。
|