毒蛇ハブ咬傷被害における筋壊死症状は後遺症の原因になることから、抗血清よりも筋壊死抑制効果が高い治療薬が求められている。そのニーズに応えるべく、本研究課題は、ハブ毒筋壊死因子BPIIに結合する抗体フラグメントFabに着目し、筋壊死誘導メカニズム解明のためのツールとしての有用性を高めることを目的とした。安定性および結合親和性を改善する変異部位の検討を重ねた結果、H鎖可変部に導入したI11L変異は結合親和性を、T84L変異は安定性を高めることが明らかとなり、改良型抗BPII Fabの作製に成功した。
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