研究課題
2021年度においては下記の3点についてin vitroにおける良好な結果が得られた。(1) ポマリドマイドとトポテカンを結合させたPROTACの作製(2) ポマリドマイド-トポテカン PROTACによるRPLXの分解誘導の検証(3) ポマリドマイド-トポテカン PROTACによるがん細胞からのDAMPs産生の評価これを踏まえて2022年度では作成したポマリドマイド-トポテカン PROTACがin vivoにおいてがん免疫の活性化を誘導し、抗PD-1抗体による抗腫瘍効果を増強するかをB16-F10メラノーマ担がんマウスモデルを用いて検証した。その結果、ポマリドマイド-トポテカン PROTAC の投与により、抗PD-1抗体に抵抗性であるB16-F10腫瘍が抗PD-1抗体に感受性になることが明らかとなった。さらにポマリドマイド-トポテカン PROTACを投与したマウスでは腫瘍中の制御性T細胞の割合が低下し、がん微小環境が変化していることも確認した。
3: やや遅れている
ヒトCRBN発現B16-F10細胞の作成が予想よりも時間がかかってしまったことでin vivo実験の開始が遅れたこと、またin vivo実験に使用するSTING欠損マウスの繁殖が予定よりも遅れていることが大きな理由である。
2023年度においてはマウス乳がん細胞であるE0771細胞の担がんマウスを用いて、ポマリドマイド-トポテカン PROTACが他のがん種においても抗PD-1抗体による抗腫瘍効果を増強するかを検証する。さらにSTING欠損マウスで同様の実験を行い、ポマリドマイド-トポテカン PROTACの効果がSTING経路に依存的であるかを検証する予定である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
Journal of Biological Chemistry
巻: 299 ページ: 102724~102724
10.1016/j.jbc.2022.102724
The Journal of Immunology
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