本研究は、IBDをはじめとする消化管炎症において、NETsやMETsの病態への関与とその誘導機構をPADI2とPADI4に着目して明らかにすることを目的とした。TNBS誘起大腸炎またはDSS誘起大腸炎ではNETsおよびMETsが誘導され、特にTNBS誘起大腸炎においてはPADI4を介したNETsがその病態形成に関与することが明らかとなった。対照的に、DSS誘起大腸炎ではPADI2およびPADI4KOマウスで病態が悪化した。以上の結果から、IBDにおいてPADI2およびPADI4KOは細胞外トラップ依存的に、または非依存的に病態形成に関与すると考えられる。
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