我々はビタミンK依存性タンパク質生合成の活性体である還元型ビタミンK2(MKH)のカチオン性プロドラッグが肝細胞癌(HCC)に対し効率的なMKH送達を示すことを明らかにしているが、取込み機構は明らかにできていない。本課題では当該プロドラッグの細胞取込み挙動の解明を目的とした。MKHプロドラッグの細胞取込みは、冷却処理とNPC1L1トランスポーター阻害剤エゼチミブによって阻害され、能動輸送とNPC1L1の関与が示唆された。一方、HCC細胞のNPC1L1ノックダウン及びHEK293細胞への一過性のNPC1L1強制発現では、MKHプロドラッグの取込みに影響せず、継続的な調査が必要である。
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