研究課題/領域番号 |
21K15293
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮田 大資 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90844415)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 薬物相互作用 / ABCG2/BCRP / トランスポーター / フェブキソスタット / 骨髄抑制 |
研究実績の概要 |
ABCG2は薬物の体内動態や毒性の制御を担うトランスポーターである。研究代表者は、これまでに、高尿酸血症治療薬であるフェブキソスタットが臨床上到達し得る濃度域においてABCG2を阻害することを明らかにした。本研究では、フェブキソスタットによるABCG2阻害の臨床的重要性を有害事象発現の観点から明らかにすることを目的とする。 研究開始初年度にあたる本年度(令和3年度)には、以下の成果を得ることができた。 ●医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医薬品副作用データベース(JADER)の解析において、ドキソルビシンによる骨髄抑制のリスクは、フェブキソスタット併用時に上昇する可能性が示唆された。ドキソルビシンによる骨髄抑制に対するフェブキソスタットの報告オッズ比(ROR)はアロプリノールと比較して高値であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
JADERの解析において仮説と合致する結果が得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
東京大学医学部附属病院の(R-)CHOP施行患者を対象として、主要崩壊症候群(TLS)予防薬の選択(フェブキソスタット、アロプリノール、ラスブリカーゼ)が骨髄抑制の頻度に与える影響を明らかにする。現時点で対象患者の抽出は完了しており、現在詳細な解析が進行中である。上記カルテ調査で良好な結果が得られれば、Abcg2ノックアウトマウスをモデル動物として用いることで、TLS予防薬が骨髄抑制頻度に与える影響におけるAbcg2の役割を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
東京大学医学部附属病院のカルテ調査の解析を先行することとしたため。持ち越した費用は、主に予定されているin vitro試験やin vivo試験の遂行に必要な試薬や消耗品費に充てることを予定している。
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