薬物過敏症の個人差は遺伝的要因と環境要因に関連することが知られているが、遺伝的要因であるヒト白血球抗原(HLA)多型のみを考慮した場合、リスク薬物を完全に予測できないことが問題となっている。本研究では、抗HIV薬アバカビルによる薬物過敏症を評価可能な薬疹モデルマウスを用いて、薬物過敏症発症時にCD8陽性T細胞においてHk2の発現が上昇し、解糖系代謝が亢進することを明らかにした。加えて、解糖系代謝阻害剤の投与によって薬物過敏症発症が抑制されることを示した。さらに、食事によるカロリー制限によってCD8陽性T細胞の解糖系代謝が低下した場合においても薬物過敏症の発症が抑制されることも示した。
|