特異体質性薬物毒性の発症原因として、内因性エイコサノイドの体内動態の個人差を挙げ、肝臓におけるエイコサノイドの動態調節機構の解明を目的とした。ラット肝では主に12-ヒドロキシエイコサテトラエン酸 (12-HETE)が産生され、その産生はリポキシゲナーゼ経路でなくチトクロームP450 (CYP)2Cが寄与すること、プロスタグランジンE2 (PGE2)はほぼ産生されないが消失活性が高いこと、その消失に有機アニオントランスポーターOATP2A1が寄与することが示唆された。したがって、CYP2CやOATP2A1、PGE2消失に関わる酵素の活性変動は肝臓におけるエイコサノイド量の個人差の原因になり得る。
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