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2023 年度 実施状況報告書

視床下部-下垂体後葉系の神経分泌細胞で発現するグラニン蛋白の機能的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K15328
研究機関旭川医科大学

研究代表者

森永 涼介  旭川医科大学, 医学部, 助教 (60845733)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードグラニン蛋白 / 視床下部 / 下垂体 / 分泌顆粒 / 神経分泌細胞 / CLEM
研究実績の概要

視床下部には神経でありながら内分泌細胞の特徴を併せ持つ神経分泌細胞が多数分布している。これまでバソプレシン(VP)ニューロンのような神経分泌細胞の分泌顆粒へのホルモン輸送・蓄積にはニューロフィジンが担体として働くとされてきたが、一般の内分泌細胞でペプチドホルモン輸送・蓄積に関与するグラニン蛋白も発現している。本研究ではまず、脱樹脂した準超薄切片により神経終末に局在するグラニン蛋白の解析を行い、神経分泌細胞のホルモン分泌を抑制するコルヒチンの脳室内投与ラットを作製し、神経細胞体における解析を行った。グラニン蛋白であるクロモグラニンA(CgA)、クロモグラニンB(CgB)、セクレトグラニン(Sg2)、セクレトグラニン(Sg3)の発現は、後葉ホルモンであるVPおよびオキシトシン(OXT)、副腎皮質ホルモン放出ホルモンなどの向下垂体ホルモンを分泌する神経分泌細胞のそれぞれで、異なるパターンを示すことを明らかにした。さらに、徳安法を組み合わせた光‐電子顕微鏡相関観察法(CLEM)も開発し、神経分泌細胞の種類を同定しつつ、細胞小器官の立体微細構造が観察可能となった。このCLEM法に金コロイド標識された蛍光標識二次抗体であるFluorenanogold(Nanoprobes)を用いることで、より詳細なグラニン蛋白の分子局在を下垂体後葉において解析したところ、CgA、CgBおよびSg2はVPの分泌顆粒上に認められ、Sg3はVPおよびOXTの分泌顆粒上に認められることを明らかにした。現在これら内容を論文にまとめており、今年度中に学術雑誌に投稿する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

特異性が高い各ペプチドホルモンやグラニン蛋白に対する抗体を獲得でき、各神経分泌細胞におけるグラニン蛋白の発現を網羅的に解析できたが、グラニン蛋白のより詳細な分子局在を解析するための光‐電子顕微鏡相関観察法(CLEM)の開発および固定液や抗体濃度などの実験条件の再検討に時間を要した。そのため、浸透圧刺激などによるグラニン蛋白発現変化の解析やノックアウトマウスの形態学的解析は着手し始めたが、生理学的解析について着手できていない。

今後の研究の推進方策

これまでの各神経分泌細胞におけるグラニン蛋白発現の解析について論文にまとめ学術雑誌に投稿する。現在、浸透圧刺激を行ったラットや授乳刺激を行ったラットを用いたVPニューロンの微細構造や機能分子局在の変化の解析を行っており、継続して今年度も行っていく。Sg2-KOマウス、Sg3-KOマウスおよびSg2とSg3ダブルノックアウトマウスも作製されており、これらマウスのグラニン蛋白発現解析も開始している。今年度もこれらマウスを用いて神経分泌細胞の微細構造やホルモン産生・分泌機構に生じる変化について形態学的解析を継続していく。

次年度使用額が生じた理由

今年度は形態学的解析に用いた抗体の購入などの免疫組織化学用試薬品を中心に助成金を使用している。また各ノックアウトマウスの材料確保およびノックアウトマウスを作製している共同研究者との研究打ち合わせための出張費としても助成金を使用した。来年度においても各ノックアウトマウスの材料確保のための出張費として助成金を使用する予定である。またその他に研究成果投稿料や成果発表旅費に助成金を使用することを予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 徳安法を組み合わせたCLEM法によるラット下垂体後葉微細構造とグラニン蛋白局在の解析2024

    • 著者名/発表者名
      森永涼介, 甲賀大輔, 久住聡, 穂坂正博, 渡部剛
    • 学会等名
      第129回日本解剖学会総会・全国学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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