研究課題/領域番号 |
21K15337
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
福本 萌 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 非常勤研究員 (70843390)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 発生生物学 / 循環器 / ライブイメージング / 接着分子 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は「大血管が心臓に連結するメカニズムを解明すること」である。これまでにライブイメージングによりゼブラフィッシュの心臓形成過程を詳細に観察することで、大血管と心臓の連結は「血管内皮細胞と心内膜内皮細胞の接着」によることを見出していた。さらに心内膜内皮細胞は心臓の流入路側と流出路側で異なる形態・遺伝子発現を示しており、この違いが静脈を心房に、動脈を心室に正しく連結するために必須ではないかと考えた。そこでこの「流出路・流入路の心内膜内皮細胞の違い」生み出す分子メカニズムの解明を目指して昨年度は以下の研究をおこなった。①ライブイメージングを行い単一細胞レベルで細胞を掲示的に追跡することで、両者にいつから、どのような差異が生じるかを特定した。②細胞の移動距離に差異があったことから接着分子に焦点を絞り、両者で発現量が異なる接着分子をシングルセルRNAシークエンスデータの再解析によって抽出した。この様にして得た候補遺伝子について③モルフォリノによりノックダウンしたところ、明瞭な表現型を得ることができた。さらに④発現細胞を明らかにするためBACトランスジェニック系統を樹立し、 ⑤機能を明らかにするため遺伝子欠損系統を樹立し現在解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りscRNA-seqデータの解析を行うことができた。必要なトランスジェニック系統も樹立済みである。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までは遺伝子の発現、すなわちトランスクリプトームに着目し解析を進めてきた。その結果、候補として挙がった分子がタンパクとして機能することから今年度はタンパクレベルでの可視化、発現制御を行いたいと考える。
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