哺乳類では個々の筋肉の中に遅筋と速筋が混在している。そのため遅筋・速筋の機能として想定されているものの多くは推測に基づいており、その分子基盤は不明な点が多い。一方ゼブラフィッシュにおいては遅筋と速筋が解剖学的に判別でき、アセチルコリン受容体のサブユニット構成が異なっていることが報告されている。また発生に伴い、体動に用いる筋肉が変化することも知られている。上記を利用して、ゼブラフィッシュを用いた行動実験およびアセチルコリン受容体再現系の電気生理学的実験により、筋弛緩剤であるPancuroniumが速筋特異的に効くこと、さらにその違いは受容体のサブユニット構成によるものであることを明らかにした。
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